部屋に逃げ帰って、スマホを開く。
ディスプレイに踊る言葉を、くりかえしながめる。
まだ大丈夫だけど、むずむずする。
おなかの奥が、きゅうきゅうする。
思い出して。
胸いっぱいにしあわせになって、眼を閉じる。

家で不自由なことも、あるにはあるのがわかってきた。
8年半留守にしたから忘れていたが、再婚した時も半分家出に近かった。
親は私を支配したがり、私は逃げた。
親の指図は度を越していて、私はおかしくなりそうだった。
私は13歳じゃない、もうとっくに大人よ、と思うようなことが多すぎた。
それでもいつまでも、親は親、子供は子供。

親と暮らすいい歳をした子供。世の中にはいまそんなケースがゴマンとある。
みんな探偵に相談、それぞれ問題があるんだろうな。
かゆいことやむずむずすること。
そんな心の生体反応が、日々を作っていたりする。
凪があれば、時化(しけ)もある。
でもいらいらすることを、きゅっとレバーを切り替えて、笑顔にする。
もう私にはそれができる。